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マーケティング講座

7.エリアマーケティングの基本とは…

これまで、お客様別の取引推進の考え方を中心にまとめてきましたが、より効率的な営業体制を構築するためには、お客様と営業担当者が直接係りをもつ営業店=店舗を主体とした戦略基準の策定も必要となります。

金融マーケティングの基本である、『いつ・誰に(=お客様)・何を(=商品サービス)・どこで・どのように(=お客様接点)』提供するのかを考えた場合、「どこで・どのように」というキーワードはお客様の活動地域と金融機関側の営業地域の関係を考慮する必要があります。

従来型の金融機関経営の下では、お客様との取引実態を基準とした営業活動というよりは、従来から存在する店舗や機械化設備、人員という経営資源を主体とした営業活動の現況を前提に、営業店運営体制を如何にして効率的に改善すべきかという観点から様々な分析や検討を行っているのですが、金融機関として「維持すべきお客様層」「守るべきお客様層」「攻めるべきお客様層」「厳選すべきお客様層」は誰なのかというお客様別の戦略基準を明確にするというマーケティング戦略の基本原則からかけ離れた戦略構築が主流となっているのではないでしょうか。効率化を前提とした店舗統廃合を実施するというケースの場合、お客様の都合はおかまいなしにお客様取引を他の店に強制的に移管するという方法で処理する事例がよく見受けられますが、この考えは、お客様主体=マーケットインの発想ではなく、あくまでも金融機関側都合=プロダクトアウト的な発想に他ありません。お客様との取引を主体とした店舗運営体制の構築という観点から「営業戦略」を策定することが、金融機関経営の課題といえるのではないでしょうか。

お客様の取引実態を把握する場合、当該お客様が居住=活動する地域を前提に検討する必要があります。従来までの考え方では、取引をしている店舗=勘定店を主体とした管理を前提としているため、勘定店が管轄する地域を超えた居住地のお客様の管理は必然的に手薄になっているはずです。ペイオフ解除が実施され、お客様との取引は勘定店ベースから金融機関全体として把握しなければならない時代に突入したことは、まさにお客様の活動地域を加味したお客様志向の営業戦略を構築する必要性を意味するものですが、まず、第一に検討すべき点は、現在の経営資源の配備状況を客観的な数値に基づき比較検証する必要があるのです。そのための検証方法として、想定する地域単位毎に、マーケット規模/競合状態/自行内重要度を同一の基準で比較できるように情報を整備し検証すると同時に、当該地域内に居住するお客様の取引実態を考慮した上で、経営資源(人/物/金)の配分状況を支店平均値や人員平均値を活用し比較する必要があるのです。

地域特性を同一の基準で比較検証するための方法としては、金融機関外部の各種統計情報と金融機関内部の情報を活用しながら、事業ポートフォリオマトリクスにより対象マーケットの特徴に合致した戦略を立案することが考えられます。これは、市場規模と市場シェアーの関係から経営資源の最適配分を検証する考え方であり、地域金融機関における戦略構築の基本となる方法です。

縦軸をマーケットの規模、自行内の資金量・収益額、更には競合度合い等マーケットの持つ各種ファクターを選定し、それぞれのファクターにより「大・中・小」の3段階に分類、横軸には縦軸に対応するマーケット指標の成長性、自行内指標の伸び率や当該地区の開拓シェア−などを「大・中・小」の3段階に分類し、9つの桝目に店舗やエリアを分布させ、9つのユニット別に戦略を構築する方法です。

具体的には、マーケット規模/競合状態/自行内重要度に関連する指標を9つのユニットに分類し、それぞれの項目について個人項目、法人項目別に同一基準でスコアーを設定し、組み合わせにより総合スコア−を設定することで客観的に比較検討することができます。例えば、対象地区内でマーケット環境(成長性)が最良で、事業規模・地区内シェアーも最大の地域は、経営資源の重点的配備が必要な地区であり重点的戦略エリアとして設定する必要があります。また、個別具体的な例として、流動性預金が高額である「守るべきお客様」が多数居住する地区の競合状態から考えると、圧倒的に優位な地区と競合機関と拮抗する地区、競合機関が圧倒的に優位な地区では、お客様に対する営業活動方針は全く異なった内容になるはずです。

このように、営業対象とする全地域を同一の基準で分類することで、効率的かつ効果的な営業体制の構築の基礎を確立することができるのです。

地域別営業戦略策定=エリアマーケティングの基本的考え方とは
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